愛と勇気のメッセージ



アニメーターは機械に例えれば、歯車の一部だ。
その歯車も毎日回転していれば動きも悪くなる。
その歯車の回転が悪くなれば、油を挿さなければならない。
特に雑草アニメーター達にとっての油は、気力と精神の油が重要だ。

この業界に真ん中さん(仮名)という原画マン兼、演出家がいる。
その真ん中さんは素晴らしい油を持っている。
作画で大変な仕事や、金にならない仕事の時は、必ず真ん中さんのメッセージが書いてある。

「動画様、面倒でしょうが頑張って下さい」

「一寸面倒に見えますが、ここをこうすれば作業はやり易くなります」などなど、丁寧に指示メッセージが書いてある。

そんなメッセージが雑草達を奮い立たせる!
高圧的な心無い人間に傷付き、自分自身との孤独な戦いで、心と精神が疲労している時に出会う励ましの一言…
貧困とも戦いながら、いつ自分が壊れるかわからない不安…
そんな時のさりげない気遣い…
命令調ではない、同じ目線のメッセージ。
ただそれだけで雑草達は救われる。
俺は真ん中さんと一度も面識は無いが、一度アニメを休業した時、真ん中さんにメッセージを送った。
制作進行に頼んで、真ん中さんに手紙を渡してもらった。
「この素晴らしいメッセージはずっと続けて下さい」と…

今でも仕事で、時々真ん中さんのメッセージを見かける時がある。
真ん中さんがこのメッセージを止める事は、絶対に有り得ない!
それは真ん中さんには「愛と勇気」があるからだ(意味深だぜ)