儲け話に御用心







ある下請けのアニメ会社を経営する男が、ガセネタで周りを振り回した。

その男の話によると、東南アジアの某国が何兆円もの国家予算を組んで、アニメ産業を国の産業にするために動き出した。

その利益に乗り遅れないように動きだそう。そんな話だった。

その男は「これは俺の知り合いの地方議員から聞いた話だから間違いない」と言う。

もし事がうまく運んだら、その某国に言って指導員になってくれないかという話だった。

俺はハナから信じなかった。そんな大きなプロジェクトだったら、下請けアニメ会社に話が来ないし、事実ならとっくに大手が動いてる。

ましてその御仁は、まともな人じゃなかったし、誰も相手にしない人物だったからだ。

突然俺の目の前で国会議員の事務所に電話をする。「小沢一郎君お願いします。」もちろん知り合いなどではない。

当然議員本人はいないから事務員が応対する。するとその御仁は「いつ電話してもいないじゃないですか! この前送った陳情書はどうなってるんですか! アニメ界はもはや国の助成金がないとやっていけないんですよ!」高飛車な口調でまくしたてる。

そう言われた事務所の方でも、邪険な対応はできないから、適当にあしらってるようだ。

「じゃあ、小沢一郎君には必ず伝えといてくださいよ!」そう言って電話を切る御仁は、どんなもんだいとばかりに自慢げな表情を見せる。そしてしたり顔で「俺は国会議員にも意見を言うんだ。」とご満悦。

そんな馬鹿げた電話を何回か見た。心の中では可哀想にと思いながら、当然俺は断った。

ところが、驚く事にそんなヨタ話に乗ったアニメ会社があったのだ。それも下請けじゃない、れっきとした親会社が…

そしてその御仁は、話に乗った某アニメ会社の社長と某国に出発した。
某国には途中である国を経由して着くはずだったが、話の言い出しっぺの御仁が経由地で引き返してしまった。「体調が優れないから俺は帰る。」

妄想がバレるのが怖くなったのか、はたまた最初から嘘だったのか、わからないが結果、話に乗ったアニメ会社の社長はバカみただけだった。

その後、その御仁は心の病院に入院した。

その御仁とは「嫌代」に振られたあのお方である。(セクハラを見た参照)

最近退院したようで、この前見かけたが、俺が挨拶しても完全無視。

嫌代の件がよほどこたえたのか、俺には敵愾心を持ってるようだ。

それにしても、某アニメ会社の○○○さん、バカをみましたねぇ…

あのお方はそういう人ですから、くれぐれも御用心を。

馬鹿とハサミは使いよう。