世捨て人

                                                                                                           2015/09/08





朝早く自宅から、雑草プロの南にメールを送った。内容は席替えの指示だった。
理由は社内の悪しき「ガン」を隅に追いやる為にである。
他の章でも書いた通り、ここには人間嫌いで人との交りを拒否する女もいる。
周りを不快にして最低限のマナーさえ持ち合わせて無い人間は隅に追いやるしかないのだ。

その南に出したメールを紹介しよう。

おはよう。さっそくだけど席替えをしてくれ。
傲慢女(仮名)を一番奥の席に移動させてくれ。
アイツは知っての通り、完全に頭がイカレてるし、全てに置いて素直じゃないから俺は完全に見放す。
毎度の事だけど、昨日そういった点を傲慢女に注意したんだ。ところが「私は人との関わりは嫌いです。一人が一番楽です。」なんて堂々と言うんだ…

そのあまりにも開き直った態度に、苦手なら少しは努力をしないと駄目だって言ったんだ。
社会や会社というのは嫌でも人との関わりを大事にしなけりゃいけないし、特に新人は先輩に可愛がられて仕事を覚えていくものなんだ。今の傲慢女の態度は先輩にも失礼だし、最低限のマナーは持たなきゃいけない。そして例え苦手でも少しは克服出来るようにってな。

すると、傲慢女から夜にこんなメールが来たんだ。↓
私は自分を変えようと、接客のバイトをしたり苦手なことを一歩踏み出して努力してきました。 苦手や努力から逃げていたら、今ここで仕事を続けていません。
といった単なる言い訳ばかり…

だから、プロは結果が全てだ。今の傲慢は先輩にも失礼な態度で嫌われてるのは事実。結果が出なけりゃ意味がないって返信してやったら、今度はこれだ↓
結果が全てなら努力する意味がないということでしょうか。と、挑発的な屁理屈で食い付いてくる。

だからまた返信で、努力の過程は本人にとっては意義はある、だけどそれの結果が出ないなら周りは迷惑になる。結果が出るまで努力することと返信した。

それでも納得しないメールが届いたんだ。こっちはカチンときたから、ハッキリ言ってやった。君は新人のくせに一人前ヅラしてるが、君の傲慢な態度は先輩達からも嫌われてるんだ。そこまで俺の言葉にいちいち食い付くなら、俺の問題じゃないんだから、明日みんなの前で「私はバイトで人付き合いを努力しました。今後は気を付けますから長い目で見て下さいって宣言したらいいだろ。」って言ってやったのさ。
すると…

「そこまでするつもりはありません。私は他人から嫌われてもかまいませんし、アニメは続けます。」と言う挑発的な返信…
なにい~! 嫌われてもかまいませんだとお~!

これには俺が激怒。「嫌われてもかまいません。」と言うことは「宣戦布告」だぞ!
他人に不快な思いをさせといて、嫌われたってかまいませんって、開き直るなら、俺はそんな人間はここに置いとけないって怒ったんだ。

なぁ、どうだい? この自分勝手な「我の強さ」
自分は正当だと人に喧嘩売ってくる事がおかしいだろ?…
上司に注意されたら「以後注意します。」って言えば何の問題もないだろ?
傲慢女は仕事も出来ないくせにプライドの塊なんだ。

俺がキレたら、やっと向こうが折れたんだ。毎回毎回これだから、一切理解してないさ。
昨日は、夜中にそんなメールの応酬だったんだ。
だから席替えは、傲慢女を捨てるだけの席替えだ。

以上こんなメールを俺は南に送ったのだった。

課題を出しても、一切やりもせず「出来ません。」と突き返し、チェックも拒否する。そんな人間に教えようがない。

ある時、先輩が傲慢女を誉めた。「終わらないって言ってたけど、ホラやれば出来るんだ。俺の言った通りだったろ? 」その先輩の励ましに対して傲慢女は「いえ違います。当たったんじゃなくて、夕べ私が遅くまで作業したからからです。」そのセリフに周りが凍りついた…
言葉にいちいちトゲがある。全てがこんな調子で、言わなくてもいいことまであえて言う。

先輩達が言う。「傲慢さんには何を話しても無駄です…彼女は成長過程の段階から、人の感情がわからない自分勝手なサイコパスです…」と嘆いてる…
その自己中心的な考えは「私は嫌われてもかまいません。」という言葉に全てが集約されている。
世捨て人が好きなら、一生ここで無駄に生きるがいい。クビにしないのは反面教師で、駄目な奴に「生きる希望」を与えるためだけ。

ここは本当に刺激的だ。さすがの俺でもサイコパスにはお手上げだ。でも、こんな馬鹿がいるからアニメ業界は成立してる部分もある。馬鹿アニメーターに対して、人と思わなくてもいいんだもの。「孤独さえ与えときゃ」低賃金でも本人は満足なんだもの。親のスネかじってね。その傲慢女は、今日も嫌われようが、蔑まれようが、どこ吹く風とばかりに能面のような顔で、人間捨てて孤独を楽しんで作業している。

つくづくここを辞めたツムジの言葉を思い出す…

ツムジ「私はアニメを描いている人逹は、みんな夢のある人達だと思っていたのに、現実はこんなにも夢の無い人達が描いてたなんてショックです…」そんな言葉が身に染みる…