おっさんアニメーター
2015/11/16いつも深夜まで仕事を頑張っている土条にプレゼントを買ってきた。
プレゼントと言っても、格安のリサイクルショップで買った香水だ。
会社に到着して、真っ先に土条の席に向かった。
俺 「土条は雑用も含めて、いつも頑張ってるから、これやるよ。」そう言って、土条の目の前に【ニナリッチの香水】を置いた。
土条「…何ですか?…コレ???…」
アレ?…驚かない…ニナリッチの一番高価な香水なのに…
土条「ああっ!、メイドinフランスって書いてある!」
やっとわかったかと思ったら、土条は「フランスって書いてあるってことは、きっと高いんですよね?」
俺 「アレッ?、土条はニナリッチ知らないのか?」
土条「はぁっ?…知りません…」
俺 「でも名前ぐらいは聞いたことあるだろ?」
土条「いいえ、ありませんが…」とキョトンとした顔をしてる。
男が知らないのならまだわかる。でも、まがりなりにも土条は30代前半のレディだ。
そこで他の女の子にも聞いてみたが、知らないとの返事が返ってきた。
こっちも意地になって、20代の女の子全員に聞いてみたが、誰一人知らない…
みんなシラ~ッとして、まるで敵陣に囲まれてしまったような状況…
「おはようございまぁす。」そこへ南が到着。
俺「なぁ、南はニナリッチ知ってるよな?」
南「知ってますよ、有名ですもの。」
助かった、やっと援軍が到着。そんなことで、ニナリッチを知ってた女の子は南ただ一人…
南のその言葉に土条がネットで調べて、ニナリッチの一番高価な香水だとわかってもらえた。だが多勢に無勢、危うくこっちが馬鹿扱いされるところだった…
アニメーター女子が、ファッション感覚に鈍感なのは昔からだが、今回は想定外だった。
もっと驚いたことが過去にあった。
たまたま俺の服に付いてた「タグ」を見た女の子が、「柳田さん、いい服着てますね。」と言ってきた。
俺 「そんなわけないだろ、俺が高価な服着るわけないじゃないか。」
女子「だってここに有名なメーカー名がありますよ。」
俺 「どこに?」
女子「ほら、メンズファッションって書いてあるじゃないですかぁ。」
俺 「んっ???…ああ、それがどうした?…」
女子「だって、【メンズ】って有名なメーカーですよね?」
…そんな程度なのだ…
カップ麺の【カップ】がブランドだと言うのと同じ…
大体の女の子が、オシャレも捨て、アニメに賭けてるから、信じられないぐらいファッション感覚にうとい。
いい意味で職人気質だから、そのファッション知識は、一般の植木屋さんや寿司屋の大将とあまり変わらない。
それだけアニメに賭けているから、アニメ意外はあまり詳しくない。
今はあまり見かけないが、昔は上下のジャージを着て出勤して来る女子が何人かいた。
カップ麺をすすり、穴のあいた靴下を履いてても平気。女同士の喧嘩では、ビンタの張り合いの応酬なんてのも見た。
それから比べると、今は平和な女子が多い。
こうしてプレゼントするにも、ビンボーアニメーターの俺は、もっぱらリサイクルショップを利用する。
南にはシャネルの№5を買ってきた。女子逹からまた恐ろしい答えが返ってきそうだから、聞かずに南に渡した。
その南、だんだんお腹も大きくなってきた。少し疲れやすくなってきたみたいなので、なるべく早く帰してやるようにしてる。来年南が抜けたら、女性と呼べる人間は何人残る?
雑草プロの女子諸君。ファッションにうとくてもいいから、だらしなさだけは直そう。
アニメーターは性別、年齢は関係ない職業。だからといって、女まで捨ててもらっては困る。
女性特有の「血だらけのトイレ」ぐらいは掃除してくれ。
だらしなさだけは今も昔も変わらない…女に生まれてきて精神が、おっさんじゃなぁ…