カツジに学べ

                                                                                                           2016/02/16





ここにいる人間達は決して悪い人間達ではない。だが人として「感情が抜け落ちている」
「感謝」や「優しさ」といった感情が無いのだ。他人にやってもらうのが当たり前。そんな可哀想な若者ばかり。
ここは「子供達ばかり」だ。残念ながら前作の「カツジ」の方がよっぽど感情は豊かで、大人なのだ。そんな精神年齢の低い子供達が、ここでは日本の子供達に夢を与えるアニメを描いている…

もう一度繰り返す。みんな決して悪い人間じゃないのだ。ただ自分の事しか考えられないだけなのだ。いつからかアニメーターはこういった人間が多くなった。
ここに来る人間は特にそういった幼い人間が多いのだ。可哀想なことに、育ってきた過程で「躾」や「マナー」さえ学んで無いから、時々こっちがビックリしてしまう。

例えば上司の目の前で、口も隠さず大あくびを繰り返す女子。上司に食事をご馳走になりながら、目の前で片腕をポケットに突っ込んで「犬食い」する男子などなど。

南が驚いたのは、南が食器を洗ってる最中に、後ろからトイレから出て来た女子が「手を洗わせて下さい。」と言ったとのこと。他の水道を使えば済む事だし、全く状況も読めない…先輩の食器洗いを中断させて、食器の上からトイレの手を洗おうとでも思ったのだろうか…

その他、例をあげたらキリがない…これでみんな大学を卒業して来てるのだ。それまでの人との関係は、一体どうなっていたんだろうと考えてしまう…

先日も、いつも安いパンばかり食べてる女の子に、ご飯を炊いておでんを作って差し入れた。
差し入れた俺が台所で、一生懸命に洗い物をしてても完全無視。別に手伝ってくれなくてもいいけれど、「私が洗います。」の社交辞令の言葉ひとつ無い…
だから本人の為に言ってやった。「将来君が困るだけじゃなく、親まで笑われるんだぞ。」

おそらく、「事なかれ主義」で、そういった事を注意する人間も少なくなってきたんだと思う。だからそれが当たり前。先輩に失礼な言動をしても全く気が付かない。躾そのものが無いのだから、注意された本人は動揺する。これも裕福さゆえの落とし子なのか、マナーさえ噛み合わない…
中には自分勝手を「自由」と履き違えて反発する人間もいる。最近はそんな人と関わる事が苦手で、内向的な人間がアニメーターになる割合が多い。

性格が積極的でも積極的過ぎるのも困る。
過去には先輩より上達すると、その先輩を見下して、「こんな下手な人と同じ仕事するのは嫌だから、別の作品やらせて下さい。」と言ってきた女子もいた。
それを注意すると「この仕事は実力主義でしょう!」と食ってかかってきた馬鹿女もいた。

アニメーターは純粋だ。純粋がうまく機能すれば問題は無い。だがその純粋が度を超すとルールも心も破壊する。

俺が望む事はたったひとつ、「カツジに学べ」
カツジだって優しさや「人の人情」はわかる。

もうじき辞める南も、子供相手のわずらわしい精神状態から解放される。残る俺は相変わらず子供相手に奮闘していく。

出産は来月だけど、すでに出産祝いは南に渡した。
フェラーリ純正の「チャイルドシート」
これからの人生、フェラーリ同様、美しく華麗に突っ走ってくれる事を願って。

                         
                                
                         (カッコいいだろ? アニメーターは遊び心も大切)