アニメーター・男と女の違い







何故か俺は、男のアニメーターにはあまり歓迎されないし、理解されないようだ。

逆に女の子の方が理解してくれて、仲良しになれる。

考えてみると、この雑草プロに遊びに来るOBは、みんな女の子。男は来ない…

そして、ここを辞めて転職してからも、俺と連絡を取り合ったりするのは全員女の子。男は連絡くれないし、連絡そのものが取れない…

恐ろしいほど、それは完全に両極に別れるのだ。

どうしてなのか、自分なりに考えてみると、若いアニメーター達の器質そのものが、男と女とでは違うように思える。

ずっと読んでくれた人なら、少しはわかってくれるだろうけど、俺はこんな性格だ。

単純で開けっぴろげで、おせっかいで裏表がない。

仕事では厳しいが、遊び好きのガキと同じ。

雑草プロの南が言う。「たぶん女の子の場合は、柳田さんに心の中の鬱積した部分を引っ張り出されて、それが良い方向に働いて、心が晴れるんだと思う。ところが、軟弱な男性の場合は、その鬱積した部分に触れられたくないんだと思う。引っ張り出して欲しくもないんじゃないかなぁ…」

俺「オレもそんな気もするな…」

南「大体アニメーターの男の人って、社交性も無いし、軟弱で根暗の人が多いよね。いつもどこか自分の殻の中に閉じこもってる…」

俺「まさしくそうだ。ダメな奴はゾンビみたいで、感情を全く出さない。一流の奴はそれなりに社交的だし、元気もある。」

南「そうでしょう? 私は映画の撮影現場も知ってるけど、アニメの現場と真逆だもの。」(南の旦那は映画のカメラマン)

南「失敗したら、怒鳴られたり、ひっぱたかれたり、お尻蹴られたりしてる。それがみんな普通だと思ってるし、元気が違う。もしアニメの現場で、それやったら、みんな辞めちゃうでしょう?」

俺「たぶんな。」

南「でしょう?」

俺「映画界とアニメ界は違うだろうけど、映画界が陽なら、アニメ界は陰だよな。映画界の人間は仕事で体を使ってストレスを発散できる。でもアニメの場合は座りっ放しで、ストレスは全部体の中に閉じ込める。その違いはあるよな。」

南「いや、それはアニメやってる男性だけ! 女の子は少し違う。同じだったら、アニメーターの女の子も、男性のように陰湿で根暗になるんじゃない? そこが男性陣と違う。」

俺「そうか、女は男と違って、そこまでならないよなぁ…」

南「だから、アニメーター器質って、男と女は違うと思うの。特に軟弱な男の人は、自分だけの世界観と日常を一緒くたにして、一人になりたい人が多いと思う。女の子の場合は、自分の世界観と日常の区別は切り離していると思う。そんな違いがあるんじゃないのかなぁ…」

そう言われてみれば、そう感じる事もある。アニメーターは女の子よりも男の方が孤独が好きなようだ。

だから俺には壁を感じる。反対に女の子にはあまり感じない。俺はいつも目の前の相手と同化して、現実の年齢さえ忘れてしまう。

そんな俺のノーテンキな図々しさに、何故か引っ込み思案の女の子が心開いてくれる場合が多い。

まさに南もそうだった。ここに来た時はおとなしくて、引っ込み思案を絵に描いたような女の子だった。電話に出るのでさえ恐怖心があったようだ。

それを俺が元気付け、自信を植え付けて本来の南を引っ張り出した。

今や南は明るくテキパキと物事をこなして、雑草プロに居なくてはならない存在になっている。

ここに来る男はどうしても理屈っぽい。頭の中で理解しないと動かない。その頭の中も自分の固定観念があって、それを変えたくない。人が何を言おうが、変えない事で自分自身を保っている。そして男は変なナルシストで根に持つ若者が多い。仕事出来ない男に限って、そんな奴が多い…

女はその逆で、理屈よりも、本能で考える。それが自分に合うか合わないか、楽しいか楽しくないか、自分の為になるか、ならないかを即座に判断して、人の意見も取り入れてくれる幅がある。

俺が今まで出会った若いアニメーター達は、おおむね孤独が好きな男達。心閉ざしたくない女の子達の2つに別れる。

これが全てのアニメーターに当てはまる訳じゃないが、俺の周りはハッキリ結論できる。

男は俺の速球から逃げる。逆に女の子は受け止めてくれる。

いろんな相談されたり、涙される時もある。

雑草プロを辞めた女の子達とは今でも交流がある。遊びに付き合ってくれる女の子、メールのやりとりをしてる女の子、喧嘩相手などなど。

花屋の絵理ちゃん、可愛い顔は届いたけど、紫陽花の写メは届いてない…

華奈ちゃん、いつも(・∀・)イイ顔ありがと。

名無しの誰かちゃん、またくれよな。

南の親友の萌ちゃん、いつでも俺の元気やる。

エビちゃん、言わなくてもわかってるよな♪

以上、総括として、俺は軟弱なアニメーターの男には避けられ、女の子にはモテる。

なんか変な終わり方だな…