要らない雑草
俺は時々ジオラマを作る。
縮小サイズは様々だ。24分の1サイズぐらいから180分の1サイズと、その時に作りたい物や、その時の気分でスケールは違う。
そして、なるべく金をつかわないように作っている。
樹木などは針金で芯を作って、紙テープを巻いて着色する。葉はスポンジを使ったり、とにかく低予算で作る。
そういった物を時々、アニメをリタイヤしていく人間にプレゼントしたりしている。
自分が関わったキャラクターだったり、リタイヤする人間の興味のある物だったり。
つい最近も辞めた人間に贈ろうと思って、あるキャラクターのジオラマを作った。
それを雑草プロの連中に見せると、特に女性陣には好評だった。
それを新人の男達に見せたところ、「ああ、そうですか…」と感情の無い返事で終わってしまった。
俺としては何もそれを自慢したいわけじゃない。そういう事をキッカケにして、コミュニケーションを図る意味合いだったが、その感情の無い「ああ、そうですか…」の一言で終わってしまった。
ここに来る青年は、特にこういった人間が多い。
つい先日も、面白い缶コーヒーを見つけた。サッカーの日本代表や監督などが印刷された缶コーヒーだった。
さっそくそれを買って、中身は飲んでしまったのだが、新人のサッカー好きの青年の机に向かった。
その新人の机の棚にはサッカーボールが飾ってある。俺は「面白い缶コーヒーを見つけたんだよ。缶だけだけど、あげるよ。」と言って、サッカーボールの近くに二種類の缶を置いた。
すると、新人は無表情で興味なさそうな顔で「ああ…缶ですか…」の一言で終わってしまった。
こちらがいろいろと気を使って、話しかけても反応が無い。そしてそんな対応が相手に失礼だとも感じない…そんな新人が多い。特に男。
中には興味が無い話だと、露骨に顔に出す人間もいる。
何の仕事でもそうだが、新人は先輩に可愛がられて上達する。それを遮断して何の得があるのだろう。
俺に怒鳴られて、やっと挨拶が出来るようにはなったものの、まだ本番にも入ってない新人が、こんな程度だから先が思いやられる。
まともに人と接する事も出来ないアニメーターが、大成するわけもない。こういう輩はもはや「機械」として扱うしかないのだ。おそらく本人達もそれを望んでいるのかもしれない。
一部には人間を拒否して、誰にも干渉されず、好きな絵だけを描けると勘違いしてるアニメーターのタマゴ達が存在するのも事実だ。
俺はいつも文句ばっかり言ってるけど、アニメ界はそこまでは腐ってるわけじゃない。
そういう勘違いしているアニメーターのタマゴがあれば、俺は微力ながら、業界の為にも潰すだけだ。
本気でね。