アニメーターの恋愛・結婚







まず最初に、たぶん多くのアニメーターは、彼女、彼氏はいないだろう。

まず出会いが無い。毎日会社とアパートの往復で、帰るのも夜中。

それに若者達は、アニメに賭けてるから、優先順位が仕事という人間が多い。特に内向的な人間が多いから、恋愛に対して積極的に動く人間も少ない。

そんな訳で、結婚するアニメーターは大体にアニメーター同士が多い。

お互いが同じ価値観で、共に仕事の苦労も分かり合ってるから、同業者が多い。

そして意外と男も女も理想が高い。(無礼にも…)

だが、いざ結婚すると、男の方は金銭的な面から転職してしまう。(一流は別だが)

アニメーターひと筋で家族を養うというのは、かなり難しい。

ちなみに、この前遊びに来たOBのタマが言う。「アニメーター時代のひと月の収入は、一週間のバイトでお釣りがきました」とのこと。

男の場合、アニメーターになる前まで、彼女がいたとしても、デート代もままならず、あまりの貧乏にアイソつかされて捨てられてしまう…

女子の場合は、最初から、恋愛を諦めてるのか、仕事に賭けてるのか、恋愛に興味が無い女の子も多い。

特に男は前回の内山君じゃないけど、恋愛経験が無いから、マヌケな告白をしてしまう…

この雑草プロに足立(仮名)という女の子が居る。彼女も最悪の告白をされた一人。

もう辞めてしまったが、以前にこのスタジオに馬男(仮名)という27才の男が居た。

その男に帰宅中の夜道をつけられた。

足立がそれに気付くと、馬男は走って来て足立の前に立ちはだかった。そして「ぼっ、僕、僕は何も、しっ、しっ、しないから、つっ、つっ、付き合って下さい!」と焦りながら告白されたそうだ。

足立が驚いて呆然としていると、馬男は「ほっ、ほっ、本当に何もしないから、ホント、何もしないから、信じて! 何もしない! だから、付き合って!」と告白されたそうだ…

「もう思い出したくもないです!」と告白された足立…

また東条(仮名)という男は、会社近くの電柱の陰に隠れて30分。誰かを張ってる。

お目当ての女の子がスタジオから出て来ると、突然電柱の陰からヌッと現れた。そして、「いっ、いっ、いやあ、きっ、きっ、奇遇だ、ねっ、いっ、一緒に帰ろう。べっ、別に隠れてたわけじゃ、なっ、なっ、ないからね。」

それを同期の人間に一部始終を見られてた。

当の女の子がひと言。「おぞましい…」

中にはストーカーして仲間に取り押さえられて、仲間の腕に噛みついて逃げた男もいた。

あるアニメーターが恋をした。同じ職場の女の子。

ところが、その女の子は制作の人間と付き合っていた。

その事実を知った恋した男は激怒。それ以来その女の子につらくあたり、口もきかなくなってしまった。

独りよがりの勝手な恋で、女の子を傷つけた男は、その後あるアニメの総作画監督になった。

あれから、ちゃんと恋愛できるようになったのだろうか…

アニメーターは現実の恋愛には、けっこう不器用でスマートじゃない人間が多い。

またモテない男がうまくいくと、自慢する。

他の会社で後輩の吉川君(仮名)

「聞いてくださいよぉ~、彼女と遅くまで二人っきりで仕事していたら、目と目が合ったんです。そこで僕が彼女に言ったんです。」

俺「何て?」

吉川「プロポーズしたよって!」

俺「…」

吉川「すると彼女は、わかったわって、ウィンクしてくれたんですぅ~、それでですねぇ…」

もういい! 聞いてるこっちが恥ずかしくなる。

特にダメな奴って驚くほど恋愛ベタだし、恋には笑っちゃうぐらい幼稚なのだ。

だから「美少女アニメ」で萌える、中年男のアニメーターもいるんだろうな…

寂しいね…