アニメ雑学







以前この雑草プロに有名人の親族が在籍していた。
南もそうだが、今更説明する必要もないので、今回は別の人物に触れる。

その人物の名前は「御子柴」さん。(みこしばと読む)
20代の女の子だった。
この名前を聞いて、わかった人はかなりの年配者だ。

俺「変わった名前だねぇ。」

御子柴「よく言われます。」

俺「まさか、あの御子柴少年?…」

御子柴「えっ?」

俺「ほら、江戸川乱歩の小説の少年探偵団に出てくる、明智小五郎と一緒に活躍する御子柴少年さ。」

御子柴「そう言われれば、そうなんですけど…」

俺「えっ!…???」

驚いて事情を聞いてみると、この御子柴さんのお祖父さんは、昔出版社に勤めていたとのこと。
仕事で江戸川乱歩の家に行った時に、名前を聞かれたそうだ。

「御子柴と申します。」と答えると江戸川乱歩が、その変わった名字に驚いて、「今度書く小説に使わせてもらうよ。」と言って、「少年探偵団」に出てくる御子柴少年の誕生になったとのこと。

少年探偵団は古くはドラマ、そしてアニメにもなったが、その時は御子柴少年ではなく、「小林少年」だった。
乱歩の初期の少年探偵団では、明智小五郎と活躍する少年は、「小林少年」ではなく「御子柴少年だった。」
乱歩ファンでも、その名前の由来を知らない人もいると思うので、ぜひ雑学に。

それから、俺がまだ新人だった頃に、作家の「井上ひさし」さんの弟さんが制作進行をしていた時期があった。その人は虫プロ時代から制作の仕事をしていたから、虫プロ出身の人や、今のサンライズの前身の創映社時代の人なら、おわかりになるだろう。
その弟さんは病気でアニメ界を去った。

前記の御子柴さんの方も、半年足らずでアニメ界から足を洗った。
御子柴さんはかなりの努力家で、自力でいろいろ勉強して取り組んでいたから、俺は期待してた。
だが、アニメ界のシステムと低賃金に将来の不安を感じ辞めて行った。

この雑草プロでは、ひと月の手取りが10万円を超えると「10万長者」と呼ばれる。
一応俺も「長者の部類」だが、あくまでも雑草プロ内でのこと。

昔はここにある作画監督の息子が居たこともある。
ここに来なくても、父親に教えてもらえばいいのにと思ったが、父親は厳し過ぎて、ついていけなくなったらしい。
おそらく親子だと遠慮容赦が無いから、かなり厳しかったのだろうと思ったが、レベルが低すぎた…
トレス線もままならず、ここで4ヶ月間練習に明け暮れ、本番の仕事も入れず去って行った。
アニメーターのDNAはあまり効果はなかったようだ。

それから昔、「田中角栄」のそっくりさんで、一時期テレビを賑わせていた。そのTさんの息子が在籍していた時期もある。
もうTさんは他界してしまったが、Tさんの職業は葬儀屋さん。
自分の葬儀はどうやったんだろ?

そのTさんの息子のT君は、可哀想な事に、会社のレコードを盗んだという「ぬれぎぬ」を着せられて辞めて行った。

そのT君が居た頃は昭和50年代。その頃のアニメの線は太かったし、味があった。
線の強弱も必要とされた。言ってみれば習字の強弱が必要とされた。

参考に写真を載せとくので、現在のアニメとの比較してみると面白い。
セルの時代が懐かしい。



            
            
            

これが特異なものではなく、当時は筆タッチトレスが多かったのだ。
当時は4B~6Bの鉛筆を使っていた。