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感性の違い

                                                                                                           2014/08/04





オジさんは最近のアニメはわからない。若者とは感性もズレている。アニメ業界に居ながら、アニメの技術的な事は別として、知識は一般のお父さん、お母さんと一緒かもしれない。

アニメはどうしてもプロの目で見てしまい、純粋にアニメを楽しく見れないのだ。

娘が幼い頃に一緒に見たアニメはよく覚えてる。アンパンマン、ハム太郎、ポケモン、お邪魔女、ふたご姫、などなど。
ハム太郎の影響でハムスターを飼うハメにもなってしまった。

何故か娘と一緒だと純粋にアニメを楽しめたのだ。

娘「ポケモンのプリンちゃんはね、ヘタクソな歌で攻撃するんだよぉ~」と言いながら、牛乳瓶を片手に持って、マイク代わりに歌い出す。

娘「プウ~、プリン♪」

俺が「ううっ! やっ、止めてぇ~!」などと苦しんだフリをすると、娘は「キャハハハッ!」と喜んで、面白がってますます歌い出す。

懐かしい思い出だが、どこの家庭でもある普通の光景だ。

それまで名前も出さず影武者として、仕事をしていた俺だったが、娘が生まれた時は、アンパンマンのエンディングに、娘の名前をひらがなで何度か出した時があった。そんな親馬鹿だった。

そして娘が少し大きくなると、今度は娘が「銀魂」にハマった。

娘「お父さん、会社の帰りに銀魂の一番クジ引いて来て。」と頼まれたが、どこのコンビニにも無い…

夜中に自転車で何件も回っているうちに、今度は道に迷ってしまった。一時間ぐらい迷って、やっとの思いで会社近くまでたどり着いた。

すると会社近くのコンビニに銀魂の一番クジがあった。ナント灯台元暮らし。
さっそくクジを引いてみたら「大当たり!」
店員が、「これは凄いですよ!」と言って、大きなフィギュアを渡された。
これは娘も大喜びするに違いないと思って、寝ている娘の枕元に置いといた。

翌朝。

娘「お父さん…わたしが欲しかったのはキーホルダーだったんだけど…」と言われた時はガックリきた…

その娘が中学生になってからは、娘が見るアニメがわからなくなってしまった。
娘が見ているアニメを後ろから覗くと、何故こんなのが面白いんだろう?
アレッ? ここは笑うところか?

…???…

娘とは感性もズレている。
趣向の問題での感性のズレは仕方ない。だが人としての感性のズレは問題も大きい。

俺がこの雑草プロに来てから感じた事は、若いアニメーター気質は昔と変わった。
何が一番変わったかと言うと、当たり前のことが出来ない。そして物事に対する「敬意」がなくなった。

完全な個人主義で周りを見ようともしない。仕事に対しても先輩に対しても過去の事はどうでもいいのだ。
今現在の自分が一番大事。マジンガー時代のアニメは過去の物であり、「蔑みの対象」なのだ。それは歴史を作った先人達に対しても同じだ。

対人関係においてもそうだ。上下関係や年上を敬う気持ちなど無く、対等もしくは上になってしまう。

礼儀や道徳心は消え失せ、俺と対立して辞めて行った若者も多い。それは殆どが男だ。自分の間違いは決してを認めず、憎悪の対象は他人に求める。ハッキリ言って精神構造が「幼稚園児」並みのアニメーターが増えた。

もはや過去の日本人らしい道徳心を求めるなら、韓国の人達から学ぶべき時代なのかもしれない。
そういったアニメーター達は普通の感性とは全く違う。
それは我々が見知らぬ国の文化に驚くぐらいの違いがある。

先日もあるゲーム会社の社長さんと話す機会があったのだが、ゲーム業界でもそれは同じようだ。信じられないような常識を持っている。
駄目なアニメーターは「居場所」と「居心地」だけを求め、社会を拒否しながら、一番社会に反映して生きている。それでも通用してしまうのがアニメーター。

制作の人間が「アニメーターは使い捨て」と言う言葉も少しはわかる。
「アニメーターは人間が終わってる」と言う言葉もよく耳にする。

時代によってアニメも変わる。そして優秀なアニメーターの排出と同時に、「人間破壊」のアニメーターも排出していく。

光と陰が背中合わせの世界の中で。