ファシスト・ファッション
青春賭けて真剣にアニメに取り組む若者も居れば、趣味の延長で入って来る奴もいる。
「柳田さん、あれはファッションの冒涜ですよねぇ…」ハム(仮名)が苦々しく呟いた。
「私なんか一緒に映画に行って恥ずかしかったですぅ…」タマが続ける。
話題の主は新人の女の子のシュガー(仮名)だった。
大のロリータファッション好きで、毎日奇抜なファッション。
派手なフリフリのフリルの服着て、頭には巨大なリボン…
それが似合うならまだいい、当の本人の容姿はデブで太ったキャイーンの天野君…笑いを通り越した拷問…
シュガーがミニスカートを着てきた時などは、目も当てられない…入り口で靴を履く度にパンツが丸見え…(損した気分)
当の本人は似合っていると勘違いして、いつも真剣にファッション自慢…
その奇抜なファッションゆえ、街を歩いてる時にテレビクルーの目に止まり街頭インタビュー。
「はい、私は○○系の作品を描いている現役アニメーターです」
待ってくれ! お前にはまだ本番の仕事はさせてないハズ!
そんなシュガーは本番の仕事も出来ないまま、ここを去って行った。
今までここには、ヘビメタファッションで、鎖をジャラジャラ付けた奴や、任侠道さながらの着流しファッションの奴も居た。でもそんな奴らは長くは続かない。
そういえば、この業界には、他にも変なファッションの関係者が居た。
カラフルなテンガロンハットを被った女の進行。両腕に長いスダレみたいなヒラヒラを付けたプレスリー気取りの演出。
そういう人間は、決まって変な奴。
特に業界人気取りの人間にろくな奴はいない。下には高圧的で上には這いつくばる。
中身が無いのをカバーしてるつもりが、恥の上塗りで笑われてる事すらわからない