南の結婚




平成二十五年十一月二十四日、俺の弟子でもあり、最強の相棒でもある南(仮名)が結婚した。

相手は同じ歳で、映像カメラマンのイケメンの彼。

南の父はあの名曲「タッチ」を作詞した御仁である。
その南が母親から仕入れた情報によると、南の父は親戚中に電話して、涙ぐんでいたらしい
かなりの親バカで、南が学生時代に習っていたバレエの写真を図書カードにして配ったほど。
それから韓国の歌手「BoA」の名曲「メリクリ」は、高校時代に南が当時付き合っていた彼とのラブロマンスを題材にして、お父さんが書いたもの。(南から聞いた)
じゃあ、ギザギザハートの子守歌の「ちっちゃい頃から悪ガキで」も南なのかも(嘘)

あいにく俺は南の結婚式は欠席した。
前日まで出席する予定だったのだが、前日に雑草プロでちょっとしたトラブル…
俺はキレた!

「明日は南の結婚式だというのに、このザマは何だ!」

俺はゲンをかつぐ、そして本能を信じてる。だから、「こんな悪しき空気と念は南の結婚式に持っていけない! 南が不幸になるだけだ!」
その理由だけで欠席した。(お父さんゴメンナサイ)

結婚式なんて形式的なもの。南もわかってくれてるし、この雑草プロで誰よりも南の幸せを願ってるのは、この俺なのだから。

ともあれ、無事に南の結婚式は済んだ。そして南の結婚式の不参加と引き換えに、雑草プロも少しはピリッとしたから結果オーライかも。
俺と南は強力な師弟関係で、水谷豊主演の「相棒」みたいな変なコンビ。
ただし、俺はあんな冷静沈着じゃない、正反対の激しいドン・キホーテみたいな男。

激しいと言えば、南のお父さんが作詞した「仮面ライダーBLACK-RX」の詞にあるフレーズ。

やさしさよりも、激しさが、大事な時があるものさ
そう、俺はマヌケで激しいんだ。

正直に生きるって大変だし、マヌケに見える。

マヌケでけっこう、それも楽しむ

南ちゃんの写真