南の誕生日

                                                                                                           2014/12/10





12月10日。
今日は雑草プロの南の誕生日。
さっそく会社で恒例の花束贈呈。
先月の土条の誕生日とは違って、菊の花束ではない。

雑草プロでの南は一番の功労者だから、俺からもプレゼントを渡した。
花束贈呈は胸くそ悪い新人抜きで、別室でやった。

もはや今年の新人は捨てた。アニメーターとして、向上心も無く、努力のカケラも無い。そしてごく普通の感情さえ持ち合わせてない。
俺の課題もろくすっぽやらず、説教されても、誰一人俺に「すみませんでした」と詫びの言葉さえない。
礼儀や仁義もわきまえないクズは相手にする事はない。本人達はそれで自分は「まとも」だと思ってる。
俺に喧嘩売ってるのもわからない。それの繰り返し。
もはや知恵遅れの連中だと思って相手にするのはやめることにした。

ここに限らず、そういった人間破壊のアニメーターは多いが、ここは異常に多すぎる。
一般社会で通用しないから、ここに来る奴が多い。
まるでアニメーターの「負の部分」だけの縮図が、この雑草プロには集中してるようだ。

間違った事をしたら「ごめんなさい」、注意されても「はい」の返事さえ出来ない哀れな連中。そんなイカれた人間まともに相手出来ない。
このホームページをよく読んでる人なら、どんな連中が集まるかおわかりだろう。
クビにするのは簡単だ。だが、今後は人として目覚めないのなら「機械」として仕事をしてもらう事になる。手がかかるだけで、クソの役にも立たないのだが…

もはや心は、まだ見ぬ来年の新人達に期待している。今年の新人よりは駄目なことは絶対に有り得ない。それは断言出来る。俺の40年間のキャリアでここまで酷いのが集まったのはなかった。
俺は最低の人間を自負する。だが奴らは、その最低の人間にすらなれないクズなのだ。それでもそんな人間観察して少しは楽しんでる。

そのへん南やレギュラー陣はしっかりしてる。俺が黙っていてもやる事はやる。
別室で南の誕生日を祝いながら、レギュラー陣の為だけでも頑張ろうと決意を新たにした。

そう思いながら仕事してると、OBの秋山(仮名)からメールがきた。
彼女は二十代の女の子。この雑草プロに居た時期は短かったが、独特な絵を描く女の子だった。
決してアニメーター向きじゃなかったが、俺は彼女から光るものを感じた。
彼女は長くは続かなかったが、いつかは花開くと感じていた。だからメールで絵は描き続けろと応援していた。
今は少女漫画の連載目指して頑張ってるらしい。
あまり詳しくは言えないが、そのうち必ず芽が出るだろう。
この雑草プロでも漫画家や画家を生んでいる。おそらく彼女もそれに続くだろう。その時はまたここで紹介しながら応援しようと思う。

残念ながら才能がある人間はここに残らない。もっと大きく言えばアニメ界にも残らない。
上手い人間、才能のある人間は版権も含め「権利」のある世界に行ってしまう。
アニメーターには権利も無く、ただ使い捨てのように若い人材が排出され消えて行くだけ。それの繰り返しの世界。

今日誕生日の南も、すでにアニメ界には興味も無ければ未練もない。
いつか自分の世界観を掴むまで、腰を降ろしているに過ぎない。
他では決して経験出来ない人間観察と、最下層の人間ドラマを楽しんでる。
ただし仕事としてやるべき事は、誰よりもしっかりやっている「プロフェッショナル」だ。
南もいずれ何かを掴むだろう。

南、誕生日おめでとう。本当に心から「おめでとう」と言える時は、南が何かを掴んだ時だ。
その時は坊主頭になってやる(なんで…?)

セコい誕生日の花束↓