馬鹿教師・今昔物語

                                                                                                           2019/10/15





最近ワイドショーで、教師同士のイジメ問題が騒がれている。
四人の教師が、よってたかって、一人の教師に無理やり激辛カレーを口に押し込んだり、目に塗りたくったりしたそうだ…
また被害教師の新車の屋根に乗ったり、ビール瓶を無理やり口の中に入れて飲ませたり、暴言の嵐…
あまりの低レベルの行動に呆れてしまった。

教師の体罰という暴力が蔓延していた俺の学生時代でも、「教師同士」の肉体的なイジメは聞いた事が無かった。
そんな肉体的な暴力があったのは、教師から生徒への暴力。そういった事は腐るほどあった。

俺の学生時代の教師からの、躾と名の借りた暴力は、当たり前として黙認され、ごく普通の出来事だった。
現在では信じられないだろうが、俺の小学生時代はゲンコツ、ビンタの体罰は当たり前だった。それは女の子も例外ではなく、ビンタの体罰を受けていた。
それが学校では普通の出来事だった。また体罰をする教師は男性教師に限らず、すぐにビンタをするヒステリックな女教師もいた。その女教師、子どもの体が吹っ飛ぶほどのビンタの手練れだった。
昔は暴力を愛情だと信じる、「巨人の星」のような教師はいっぱいいた。
そして子ども達はそんな体罰にマヒしていた。
「ビンタ一発でラッキーだったよ。」などと安堵する子どももいた。
なかには小学二年生の男の子が、担任から拳で、「鉄拳制裁」を受けて、顔面が紫色に腫れあがった例もあった。その時ばかりは、子ども心にやり過ぎだと思った。グーの拳での顔面殴打となれば、今なら大騒ぎになって、ワイドショーで叩かれるたろう。

よく昔の教師は質が良かったという言葉を聞くが、そんな事はない。今も昔も同じ。
むしろ情報が発達した今の方が、教師の暴力は少ない。昔の方が体罰の暴力は多かった。
今はそんな暴力教師は、すぐに表沙汰になるし、事件を起こせば処分を受ける。

教師による言葉のパワハラも数多くあった。教師本人が率先して生徒にアダナを付けた。
教師「お前はヒョロヒョロしてるから、らっきょだ。」なんて言うのは可愛いもので、本名まで代えられた生徒もいた。
あるクラスに同姓同名の男子生徒がいた。名前の漢字だけは違っていたのだが、二人とも姓が同じで名前も「みつお」。
そこで担任教師が紛らわしいと言って、二人いる「みつお」の一人に対して、「お前は今日から、よつおだ。」と宣言した。そしてそれが学校で定着してしまった。
言葉のパワハラも、「明日から学校に来るな!」などの言葉は当たり前で、中にはみんなの前で、家族の「家柄」まで中傷する教師もいた。
教師の生徒に対する好き嫌いも激しく、一度嫌われてしまうとそれでアウト。俺なんか泥棒の疑いまでかけられた。クラスで集めた金が紛失して、担任からクラス全員の前で、「お前だろ!」と恫喝された事がある。

中学時代の音楽教師などは、明らかな人種差別者で、授業中によく多民族の誹謗中傷を聞かされた。
どこの国にも悪い奴は居ると思うが、そういったレベルの話ではなく、ある人種は生まれつき臭いという教師の歪んだ信念だった。
その音楽教師、「アイツらは縄で糞を拭くんだ。」
教師の話はまだまだ続く。「この話を前の学校で話したら、先生!不愉快だからそんな話は止めてくれという生徒が居たんだ…なんと! そいつもその人種だったんだ! ビックリしたよ~」
こういう驚くような教師も居た…
特に当時の田舎は、教師の暴力や人権意識なんてムチャクチャだった。現在のモラルを当てはめたら、昔の教師の半分以上は確実に、「問題教師」だろう。

番外編として、俺の田舎の近所に住む教師が、自分の勤める小学校に、泥棒に入って逮捕された。そしてそれは新聞記事にもなった。
ところが、釈放されて出てきてから、その教師は別の学校で定年まで教師を続け、地域の資料館の館長までなった。現在だったら泥棒したら、懲戒免職だろう。
新聞は事件そのものは報道するが、その後の出来事は無関心。

中学時代の校則は、男子生徒は全員丸坊主。それは特異な事ではなく、周りの中学校も同じだった。坊さんになるわけでもないのに違和感を感じていた。
高校時代は、髪が長いという理由で、生徒を床に力づくで抑え付けて、バリカンで丸坊主にした猛者教師もいた。
そんな時代だったが、周りも地域も教師には寛容だった。
俺の学生時代は、(特に田舎)学校にもまだまだ「軍国主義」の流れが残っていて、教師にブン殴られる話はそこら中に転がっていた。
よくマスコミが使う言葉で、現在の教師の質が落ちているなどと言うのは幻想で、デタラメな教師の存在は今も昔も同じ。昔は話題にもならなかったから発覚しなかっただけ。
昔は今で言う差別用語が氾濫して、普通に使われていた時代だった。それがネックになって再放送できないアニメや、絶版になってるマンガも多い。
今使ってる言葉も数十年したら、いくつか差別用語になるんだろうな…

それにしても、今回の教師同士のイジメ問題は、あまりにも馬鹿馬鹿しい…中学生の悪ガキが、しでかす低レベルのイジメ…
もし発覚しなかったら、もっとエスカレートして大事件になってた可能性もある。
一般社会でも、まだまだ世に出ない暴力やイジメはあるのだろうが、「暴力」はすぐ事件になるだろうから、むしろ精神的な嫌がらせが多いだろう。

例の「赤村プロ」でも今では精神的暴力が主流で、肉体的暴力にあった人間は限られてる。
絶対に反抗しない人間、おとなしい人間、または弱みを握られてる人間に限ってだった。
イジメをする人間は、そういった人間の足元を見て決行する。今回の加害者の教師達もそういった類の卑怯な人間達だったのだろう。
そういった輩に対しては、キレるのが一番の防御策だ。怒らないと思ってるから、ナメてつけあがる。
キレられると意外にアタフタして、動揺する。
集団でイジメるような奴は、一人一人は臆病で気が弱い。
それでもやるようだったら、そいつは普通の人間じゃない。警察に通報するしかない。

そうこう思ってたら、今回の史上最大の台風。自然災害と幼稚な馬鹿にはかなわない…
俺が言いたい事は、昔の教師は優れていたなどと言うのは幻想だ。昔はネットも無く情報量が少なく、体罰を認めていた時代だったから、世に出なかっただけ。馬鹿教師は今も昔も同じ。

昔の方が良かったのは、ひとつだけあった。
俺の高校時代はバイクのヘルメット着用は義務化されてなかった。みんなノーヘルで風切って走ってた。
あの爽快感は忘れられない。今は安全性の面から違反だけど、それを経験できただけでも良かった。
物価も当時のままだったら、アニメーターも大金持ちなのになぁ…

地下に潜り、惰性でアニメを続けてるドン・キホーテ柳田。