さらば雑草プロ

                                                                                                           2017/04/27





平成29年・4月26日、俺は雑草プロから去った。

最終日は辞める人間だけで、軽く一杯やった。ほとんど盛り上がる話などは無く、どちらかと言えば安堵の酒だった。そして「雑草スタジオ」は閉鎖された。
業界の人ならこの会社の正体は、すでにおわかりだろうが、ここは現在もしぶとく活動している。
「大人気メカ」で有名な大手の会社の仕事をメインに、「国民的家族アニメ」や「国営放送のアニメ」などをして存続してる。

振り返ってみると、俺の人生において、この会社に戻った事は失敗ではなかった。プラスマイナスで言うならば、かなりのマイナスとかなりのプラスで「チャラ」だ。
マイナス面は、勿論モンスター兄弟との数々の軋轢と仕打ち。
プラスの面は、雑草達との出会いだった。

ここに戻って来なければ、数々の雑草達との出会いや交流すら無かったし、盟友南との出会いも無かった。
そう考えれば得た物も大きかった。良くも悪くも、いろんな人間達との出会いは楽しかった。
毎日刺激だらけで、自分の年齢すら忘れて過ごした数年間だった。(今も忘れてる(^^ゞ)

ここに居た数年間で、特に印象に残ってる人間は、南は別として、「ヌシの土条」には、スタジオのまとめ役として、頑張ってもらった。
そして、「マヌケなタマ」には、娘が勉強を教えてもらって世話になったし、タマは愉快な奴だった。
他にも、今となっては笑い話だが、強烈な思い出として残ってる人間が数人いる。
「岩子に降参」の岩子や「プライド・レジェンド」の先生、つぶやき君などなど…(本文参照)

例え駄目な会社でも、ここでアニメーターとして、一生懸命頑張ったと思う人間も数人いる。
「土条」を筆頭に新潟の「菊ちゃん」と「木野」。それと元ヘルパーの「裕子ちゃん」は、仕事に対する姿勢も真剣だったし、戦力にもなっていた。今でもそれは認めてる。
それと多摩の「ヨリちゃん」と「土条」には、いろんな愚痴や相談で迷惑もかけた(^^ゞ感謝する。
俺は完璧な人間じゃないから、みんなとはいろんな軋轢もあったが、単なる単細胞の古い「カミナリおやじ」。悪意は無かったのだから悪く思うな…(^^ゞ

まぁ、この世に地獄というものがあるなら、俺は地獄行き。好き勝手やって、自由に生きてきた。
天国に行けるなんて少しも思っちゃいない。地獄行きも覚悟。
今さら宗教に頼って、足掻いてるどこかの変人とは全く違う。
「さぁ、もう足掻いてないで、諦めて俺と一緒に地獄で、また喧嘩しようや!」それが俺の餞別の言葉(^_^)

過去を忘れて、一生懸命会社に尽くそうとしても、まともじゃない人間にはわからない。そして世の中はそんなもの。
俺の兄の「丸一仙翁」も本の中で嘆いていた。
「国立演芸場」は兄の尽力もあって、建ったらしいが、そこに出ている人間は、今は誰もそんな事は知らないと…
兄が何年もかけて、毎日役所や議員宿舎を回って、苦労して建つ事になったらしい。俺とは全然レベルが違が、人生思うようには動かない…(^^ゞ

そういえば以前、作詞家の南のお父さんが、「この歌を柳田さんにあげる。」と言って、もらったCDがある。


タイトル「あなたには守ったものがある」

歌 上間綾乃

川の流れは見えないけれど
木の葉 一枚 浮かべてみれば
人に等しく流れて過ぎる
時の流れがよく見える

人生なんて見えないけれど
古い写真をこの手にとれば
あなたが歩み とめず歩いた
長い時間がよく見える

ちがう人生もあったかなと
思う気持ちは人みな同じ
でもね

あなたには守ったものがある
どんな日も 陰になり 支えになり
あなたには守ったものがある
それを平凡というのなら
名もなき花の豊かさよ

ヒトの心は見えないけれど
今日の大事な祝いの席に
わたしの気持ち 届くようにと
季節の花を抱いてきました

なじんだ笑顔の向こう側に
辛いこともあったでしょうね
でもね

あなたの代わりはいなかった
迷うとき 辛いとき 泣きたいとき
あなたの代わりはいなかった
たった5文字のありがとうで
尽くせるものではないけれど

あなたには守ったものがある
どんな日にも 陰になり 支えになり
あなたには守ったものがある
それを平凡というのなら
名もなき花の豊さよ

誇らぬ人の 清しさよ


以上、この歌を何故くれたのかは、反面教師なのかも…(~_~;)…こうなりなさいって…(^-^;
でも多少なりとも、そう感じてくれるなら有り難いけど、俺にはもったいない…
俺はこんな清らかな人間じゃないし、マヌケなドン・キホーテ(・o・)…

どちらかと言うと、南のお父さんが作ったこっちの詞に近い→「♪ちっちゃな頃から悪ガキで♪…」(^^ゞ
いやいや、せっかく貰った詞は、有り難く心に刻みます。
この詞の中の「平凡」に生きるという事が、どんなに難しい事なのか、つくづく身に染みてます。
その「平凡」目指して頑張ります。

まだまだ気持ちだけは中年男。貰った詞のように頑張ろうo(^o^)o