体操界も赤村プロ?

                                                                                                           2018/09/10





レスリング、相撲、ラグビー、ボクシングに続いて今度は体操界のゴタゴタが始まった。

その騒動は、コーチの暴力を愛のムチと、容認する18才の女子体操選手から始まった。
暴力を振るったそのコーチは協会から処分されたのだが、そのコーチを崇拝する被害者の女子選手が、その処分を不服として、体操協会に宣戦布告した。
また選手は逆に協会から圧力やパワハラがあったと記者会見をした。
当初の報道では、コーチを慕う選手とコーチの、師弟関係の美談話に終始した。

そして、世間が宮沢選手に同情的になると、暴力問題はそっちのけで、外野から強烈な協会批判が始まった。
特に攻撃側の人間達が、まるで鬼の首でも取ったような騒ぎ方。
協会の塚原夫妻の言葉尻や憶測も含めて言いたい放題。
「体操界の膿みを出し切る」とか、「18の女の子が嘘をつくはずがない!」とまで言いきった元体操選手の具志堅氏。
また「永久追放だ!」、「リークしたのは塚原サイドだ!」と気勢を上げたのも、元体操選手の池谷氏。
それらの発言を聞いてると、体操界に存在する、ドロドロとした権力争いが存在する事がすぐにわかった。
そのノロシは、あきらかに冷静さを欠き、公平も無い最初から結果ありきのノロシだった。
そこには宮川選手を利用した権力闘争が見え隠れする。

宮川選手の一番の怒りは、協会によってコーチと引き離されようとした点だろう。
「尊師」であるコーチの復讐の為、パワハラ問題を持ち出して、徹底抗戦の構え。
宮川選手側の応援団の元選手達の応援は、かなりヒステリックだった。そこには先人達への「敬意」も無ければ「礼儀」も無い。
問題の解決よりも、いかに協会と塚原夫妻を叩き潰す事しか頭にないようだ。

だが、一番の問題は宮川選手の「洗脳」。
暴力を受け入れ、「速見コーチが全て」と言い切れるのは、信頼関係を通り越した関係である事は間違いない。そして宮川選手の母親も暴力指導を当然のように容認してた。
「速見コーチの指導でなければ、オリンピックの金メダルは目指せない。」と言い切るのなら、彼女の目標は、オリンピックの金メダルではないと言うことだ。
宮川選手が「コーチファースト」の洗脳ならば、コーチの思想や振る舞いの全てが盲目の正義になる。
そしてコーチが本当に体操という競技を愛する指導者ならば、その考えを正すべきだ。

「暴力」に愛は無い。暴力の源は怒りだ。躾の暴力にも愛は無い。
躾の暴力に愛があるという人は、それは人としての愛ではなく、所有物としての「家畜の愛」だ。
百歩譲って、人間同士の愛の暴力があるとするなら、それは「サドマゾ」の世界だ。
仮にそうだとしても、それはお互いの自由だから、批判はしないが、あくまでも人前ではやって欲しくはない。
あの暴力映像を見る限り、あれが指導の一環と有り難く受け入れるなら、「洗脳」と言われても仕方ない。
宮川選手はコーチや家族を否定されたパワハラと言うが、指導の暴力が当たり前だと言うコーチや母親なら、まともな人間は誰だって否定する。
その暴力を受けても、敬愛する「尊師」と再び活動を共にしたいという信念は、どこかのカルト宗教に似ている。

協会側にも選手側にも問題があったのだろうが、それを煽って権力争いをする人間が何人も登場してくるから、尚更騒動は泥沼化している。
元体操選手の池谷氏は、塚原氏を過去の人と決めつけ、「現役に近い選手がコーチをするのが一番なんです。今の内村君の技なんて異次元で、もう僕らにはわかりません。」と、言うのなら、自身もコーチは止めるべきだ。

また「選手を取られた」と大騒ぎしてるが、「選手ファースト」を唱えるなら、移籍した選手も、「選手ファースト」を実行したまでのこと。
それが違法ならば証拠を揃えて、パワハラも含めて、塚原氏を法で裁けばいい。もちろん移籍した選手も裁かなければならない。

そういった事は、アニメ界にもあるが、それは元の会社に魅力が無かっただけのこと。
「せっかく育てたのに…」という気持ちもわかるが、移籍した選手とすれば、「義」より「実」を取っただけだろう。

池谷氏の言ってる事は感情論だけで話に矛盾も多く、あまりにも幼稚な論理が多いのが残念だ。
池谷氏は、塚原夫妻とはほとんど会話したことすらないと言いながら、その人間性まで攻撃する。
それならば、散々女性との浮気を繰り返し、離婚までした彼に、パワハラや他人の人間性まで批判する資格があるのだろうか?
スポーツコメンテーターと一緒に、他人には聖人君子の対応を求め、暴力を振るったコーチは一切責めない。
あの暴力映像ですら、「何で映像が今さら出てきたのか、作為を感じる。」と問題をすり替える。
それを後押しするコメンテーターが多いのには驚く。

今や塚原夫妻は世の極悪人になっている。公平なテレビ報道があると、そのテレビ局まで、週刊誌で叩かれてる。
強引なこじつけで、「テレビ朝日の癒着と陰謀説」まで飛び出す始末。
もはや塚原夫妻を、「鬼畜米英」扱いしないと許されない。こうなると一種のファシズムだ。

何事も疑ったら、いくらでも疑えるのだ。そしていくらでも歪曲できる。彼らの「18才の女の子が嘘を言うはずがない。」と言う、彼らの概念で返すならば、洗脳された人間はいくらでも嘘が言える。
彼らの主張は、冷静さと公平性を欠いた、敵意剥き出しの権力闘争だけに見える。
もし、塚原夫妻に問題があるとするならば、もっと正々堂々と塚原氏側と戦うべきでなのだ。
そして、リーク話を塚原婦人と決めつけた発言をテレビで嫌々謝っていたが、それもフェアじゃない。
全国放送で発言したのだから、本人と会って、きちんと謝罪すべきだ。言葉の責任を塚原氏側だけに求めず、自らの言葉の責任は負うべきだ。それが人として、最低限の責任だ。

この騒動のそもそもの原因は、「個人主義」と「組織」の問題と、そこに「洗脳問題」が加わっている。
体操界に「膿」があるのならば、それは池谷氏も当事者の一人。
塚原夫妻が体操界の「暴君」ならば、それを作り出したのは紛れもなく体操界全体。
まるで他人事のように、自分達だけが正義だと拳を振り上げても、世間はそこまで馬鹿じゃない。
自分の言動が火に油を注いでる事に全く気が付いてない。問題の解決よりも、むしろ相手を叩き潰す事しか頭には無いのだろう。

池谷氏はあの暴力映像を見ても、「暴力は決してやってはいけないが、体操競技は、痛さだけなら跳び箱に身体をぶつけたり、もっと痛い事がいっぱいある。」と、暴力容認のような擁護までする。
その暴言には、開いた口が塞がらない。
そして体操競技の危険度を連呼して、選手は命がけで練習してるという論理も、「上から目線」の何ものでもない。だから偉いのか?
体操がそんなに危険で、命がけのスポーツであるならば、スポーツとして存在してはならない。

一番卑怯で卑劣な人間は、この騒動に乗じて自分の言葉にすら責任すら持たず、煽り立ててる人間達だ。
当初俺はどちらの味方でもなかったが、あまりにも塚原氏側を批判する側の論理と魂胆が酷すぎて、むしろこのパワハラ告発騒動は、宮川選手をけしかけて、彼らが仕組んだとも思えてくる。
聡明な人なら、この問題は暴力をきっかけにした「権力闘争」意外の何ものでもないと気付いてるはずだ。
池谷氏や森末氏の発言は、マスコミを利用してるつもりなのだろうが、テレビ局や世間は、そこまで馬鹿じゃない。
マスコミに泳がされて、その本性を晒してるにすぎない。
テレビ局はしたたかだ(^_^;)

例え塚原夫妻が永久追放になっても、こういった醜い権力争いがある限り、必ず再び騒動は繰り返す。
池谷氏の「僕の後ろには、多くの体操関係者が付いてますから。」という言葉が事実なら、今後の体操界は末恐ろしい。
そして無責任で、「自浄能力の無い」体操界がまた、権力争いで、世間とマスコミに訴えて魔女狩りが始まる…

池谷氏のように過去を否定して、現実しか見えない人間はアニメ界にも居る。
俺の経験で述べるなら、そういった人間はプライドが高くてやっかいだ。
先輩の指導を拒否したり、自分の気の合う人間としか接しない。
先輩が実績があった人でも、「それは昔の事でしょ。」と鼻で笑う。
先輩より自分が上手くなると、完全に先輩を見下し、逆パワハラをする。
その無礼を咎めれば、「何が悪いんですか! アニメーターは実力の世界でしょ!」と開き直る。
仕事としてはもっともだが、そこには人間性のカケラもない。
そんな事は何度も経験してきたが、過去を否定する人間には未来も無い。

長年アニメーターの卵達を指導してきたが、体操界のパワハラ報道を見てると、背筋がゾ~ッとする。
俺自身「パワハラ」を裁判で争った事があった。
新人が、何度言っても間違った作業を繰り返すので、仕事を回収して作業をやり直した。(その賃金は新人付けで貰わず)
すると裁判で「仕事を取り上げられた。」と証言。
スタジオ全員にケーキの差し入れをすれば、当人は「食いたくない物を無理やり食わされた。」と証言。
正月に帰省する金が無いと言うから、自宅に招いておせち料理を食べさせれば、「行きたくないのに誘われた。」との証言。
帰りに小遣い渡せば、「乞食扱いされた。」と証言。
相手はあくまで権力に従うしかなかったと証言。

確かに当時の俺は新人からすれば権力者。新人がそう受け取ったのならそうなのだろう。
コメンテーターがよく言う「パワハラは、やった方が決めるのではなく、受けた側が決めるもの。」が正義なら、俺の行動は完全なパワハラになる(;゜O゜)
その裁判では、相手側の嘘の作り話のパワハラがバレて、こちらが勝訴した。
もし俺が有名人で、相手が18才の女の子で、俺を貶めようとする大応援団が付いていたら、テレビ的には極悪人になったことだろう。
つくづく俺は有名人じゃなくて良かった(^^;)…
そんな体験が、今回の騒動と少し重なり合う…
あの宮崎駿監督でさえ、病的なスケベで、そのパワハラの裏金として、ジブリには年間何千万円のパワハラ予算があると騒がれた事もある。

極度な個人主義者は、何事も好き勝手にやりたいのだ。良かれと思った言動さえ、お節介なパワハラになる。
その裁判で俺が学んだ事は、頑なな個人主義者には一切関わらないこと。
世界観が全く違うのだから、話せばわかるの次元の話じゃないのだ。 自由と好き勝手を履き違えた輩には、まともな話が通じないのだ。
そのうえ今回の体操界の騒動は「洗脳」まで絡んでくるから、問題は根深い。

テレビで東国原氏がコメントしていた。「宮川選手と速見コーチに今本当に必要なのは治療であって、特に宮川選手は、カウンセリングで洗脳を解いてあげる事が一番だ。それが宮川選手にとっては、オリンピックのメダルよりも、人として大切な事になる。」と…
全くの同感だ。
アニメ界にも洗脳リンチ事件があったから、(本文・大事件勃発! 参照)その怖さは身を持って体験してる。
洗脳された人間は、身内が介入しようが、警察が介入しようが、思考が違う人間を「敵」とみなすのだ。その目的の為ならば、そこには法も存在しない。
今回の騒動で、一番の被害者は当然洗脳された宮川選手と、体操界の醜い権力闘争を見せつけられてる視聴者だ。
そして今後宮川選手が現役復帰しても、洗脳から完全に抜け出せない限り、苦難の道は続くだろう…

最後に一言。
「池谷さん、あなたの今までの発言は全て逆効果です。」
救いようがない馬鹿を演じ、反感を買って民衆を反対勢力に誘導する黒子…Σ(‾□‾) いや、ひょっとして、あなたは「塚原派?」
だとしたら、あなたの戦略を心から敬服します(^^)