コロナウィルス

                                                                                                           2020/05/12





緊急事態宣言で多くのアニメーターが休業している。それでなくてもアニメーターは低収入なわけだから、ダブルパンチだ。
必死で働いても、月収が10万円以下のアニメーターも数多い。
10万円の支給に小躍りしたアニメーターもいることだろうが、その10万円の支給もいつになるやら。

俺はマイナンバーで支給してもらおうと何度もチャレンジしてみたが、繋がらない。ネット情報によると、繋がらないようにできてるらしい。不具合も多く、そこにたどり着ける人間はごくわずか。これじゃマイナンバーの意味が全然無い。対応のまずさは呆れるばかりだ。国は「まともな」コンピューターの専門家を雇って対応してほしいものだ。
ワイドショーで、怒れる冷和の「桂小金治」、坂上忍に頑張ってほしいものだ。

そのコロナウィルスの影響で、復元された「トキワ荘」のオープンが延期された。 コロナウィルスが落ち着いて、オープンしたら行ってみたいと思う。
雑草プロ時代には、あの伝説のラーメン屋「松葉」には後輩を連れてよく行った。
手塚治虫さんとは、過去に一度だけ仕事で話した事があった。ただそれだけだが、歴史的人物と話せた事は、俺のいい思い出でもある。
俺がアニメを始めたのは、虫プロが倒産した後だったから、虫プロ時代の話は先輩達からよく聞かされた。
虫プロ倒産後の虫プロのアニメーター逹は、後にアニメ界を発展させていく。

「闇に埋もれたガンダム秘話」の後、あの会社のスタッフもバラバラになり、各自新天地を求めて仕事を始めていった。
そんな頃、作画監督の修正で、俺が一番ビックリしたのは「あしたのジョーⅡ」の「杉野昭夫さん」の修正だった。
杉野さんは虫プロ出身のアニメーターで、アニメファンなら説明する必要もないだろう。
当時後輩が「あしたのジョーⅡ」に少し関わっていたので、何度か杉野さんの原画修正を見る機会があった。
どれを見ても原画と修正が全く違っていた…
派手なボクシングシーンの数十枚に及ぶ原画が全てが別物になっていた。
それも原画の上から部分的に手を入れたのではなく、大きさからアングル、ポーズに至るまで違っていたのだ。 50円玉サイズの絵ですら、ミカンサイズの絵になっている。
迫力のある鉛筆タッチの絵で、ほとんどラフも取らないかのように、流れるように描き直してある。凄いと思った!

そのカットだけではなく、他の原画もそういった修正だった…
杉野さんは当時「総作画監督」だったわけだから、全ての話数を修正していたはずである。
よくもこのスピードと画力でスラスラ描けるものだと感心してしまった…
今のアニメ界ならなら絶対に有り得ない修正だろう。

杉野さんの手にかかれば「軽自動車」が「フェラーリ」に生まれ変わる。そんな驚きだった。
と同時に、とてもじゃないが、俺は足元にも及ばない。
俺はその修正にKOされた。それも爽やかに心地よく眠らされた。そんな心境だった。
残念ながら杉野さんにお会いする機会はなかったが、尊敬するアニメーターの一人である。

ちなみに昔、赤村プロの社長の弟が、兄貴の仕打ちに耐えられず、杉野さんに弟子入り志願して断られてる…(~_~;)

まだアニメがセルの時代。杉野さんと同じ虫プロ出身で、屋形さん(仮名)という人が居た。
虫プロが倒産して、元スタッフの有志が会社を興して、それに参加した人だった。
その会社は順調に業績を伸ばし、後に親会社へと成長していった。屋形さんは、その会社でしばらく制作の仕事をしていたが、ある作品で原画を描きだした。
ところが、ある作品で屋形さんは、虫プロで同僚だった赤村プロ社長とコラボしてしまった。その作画監督が赤村社長だったのだ。
屋形さんと虫プロ時代の同僚だった赤村社長は、屋形さんの絵が気に入らない。
陰で関係ないスタッフまで集めていつも言いたい放題。

社長「この男は虫プロ時代は動画してたんだ。ヘタクソで腕が悪いから原画も描かせてもらえなかったんだ。」と言わなくてもいい事まで演説。
そのうえ会社が大きくなったから、地位を利用して原画を描いてると、勝手な想像。
社長「●●●●●は、何でこの男に原画を描く事を許したんだ。引導渡してやればいいんだ。」と罵詈雑言。
そして、わざわざ●●●●●に電話して、「屋形さんの原画は全く使いものになりませんねぇ、できたら降ろしてもらえませんか。」
苦情を言われた●●●●●も困惑…屋形さんは他の作画監督では、通用していることもあって、大弱り…
また●●●●●の功労者の一人でもある屋形さんを切り捨てる事もできない…

その後、なんとか赤村プロの社長を説得して落ち着いた。
それでも社長は、屋形さんの原画を修正するのが嫌だから、社内のD氏に丸投げで修正させていた。
こんな話は、おそらく●●●●●●の制作も、屋形さんも知らない話だろう。
こういった人間関係の「好き嫌い」の「リテーク」や嫌がらせは、少なからずある。

さて、緊急事態宣言が出て、アニメ界も休みになっている所も多い。俺もその一人だ。
唯一の楽しみは、時々遊びに来る、南の愛娘のなつくちゃん♪
なつくちゃんは四歳になった。誕生日にお祝いに行くと、おじいちゃんとおばあちゃんもお祝いに駆けつけていた。
なつくちゃんは女の子なのに今は「ウルトラマン」に夢中。かなりのウルトラマンマニアで、初代から現在のウルトラマンに至るまで、ほとんど知っている。
俺は初代のウルトラマンとセブンしか見てなかったから、なつくちゃんに教えられる事が多い。特になつくちゃんはウルトラマンゼロが大好き。俺の買ってあげた「ゼロアイ」でよく変身してる。(~_~;)

なつくちゃんが言う。「おじちゃん、ゼロはセブンの子供なんだよ。技の先生がレオなんだ。」そして俺はいつも敵のベリアル役…
そのうちウルトラマンガイアの主題歌を、おじいちゃんが作ったと理解するようになったら、ビックリするだろうな。
そのなつくちゃん、年末には「おねえちゃん」になる。南に第二子が授かった。なつくちゃんのおねえちゃんぶりが楽しみだ。

緊急事態宣言の中、本当は家でジッとしてなくちゃいけないのだろうが、運動不足になってしまう。
先日運動不足解消に、ハイキングに行ってきた。その途中でこんな所にも行ってきた。↓

                           

俺はヒゲダンスが好きだったなぁ…志村けんさん天国で安らかに。