アニメ界と相撲界

                                                                                                           2017/12/27





相撲界への法律は甘い。甘いというより無きに等しい。
今回はあのアニメ界のリンチ事件と、相撲界のリンチ事件を比較してみる。

言うまでもなく、今回の相撲界の事件は特別待遇だ。
まず第一に加害者が「身柄拘束」されなかった…
あのアニメ界のリンチ事件では、みんなすぐさま逮捕で身柄拘束。
そして今回警察が、その場に居た力士逹の取り調べをしたのは、巡業相撲の後のことだった。
一方のアニメ界の事件では、ちょうど劇場用作品の作業中の出来事で、公開間近の切羽詰まった状況だったが、そんな事はおかまいなし。

それとアニメ界の事件では、今回の事件と同様に、その暴行現場を静止せず見ていた人間も居た。
ところが明らかに違うのは、アニメ界の事件では、一発も殴ってない人間まで逮捕された。黙認したという理由で同罪になって、前科が付いた人間までいる。
それに反して、今回の相撲界の事件では、その場に居た力士が何の罪にも問われていない。
問われるどころか、事情聴取も後回しにして、「口裏合わせ」の既成事実まで与えてしまった。

二つの事件を比較すると、どう考えても差がありすぎる…
警察が「刑事事件」にも関わらず、「民事」の興行を最優先した処置だった。
アニメ界の事件の動機は「悪魔憑き」というバカバカしい理由だったが、理由が違っても、「初動捜査」と「扱い方」が違いすぎるのがおかしい。

田舎警察の鳥取県警に問題があると、指摘する声が大きいが、メディアや警察は「神」や「宗教」に弱い。
また日本の社会に「神」や「宗教」に緩い土壌があるから、みんなそれを隠れ蓑にする。
その抜け道として、闇社会まで「宗教法人」の権利を欲しがるのだ。

このホームページでも触れたが、俺が巻き込まれた「神社のマネーロンダリング騒動」でも、マスコミは深入りしなかった。俺はそういった経験もしてきた。
それは相撲界も同じ。今回も「国技」や「神事」の名の下にアグラをかいて、金儲けに走って巡業を最優先にした。
「伝統」、「神事」、「国技」、「神聖」を全面に出せば、人はケチを付けづらくなる。それはメディアも含めて、怪しいと思いながらも各人の「宗教感」にまで踏み込んでしまうからだ。

そんな曖昧な、いかがわしい世界だからこそ、「伝統」や「神」は最大の武器になる。
そんな盾に守られた相撲界の「神事」ですら、かなり曖昧だ。
もし相撲が本当に「神事」であるならば、力士が「神」の存在を否定している「仏教」用語を有り難がったり、巡業で力士達が寺に寝泊まりすること自体も変だ…

特に日本人には万の神が存在し、勝手に聖なるものを作りたがる。そしてそれがやがて神になる。
山の神、海の神、川の神、森の神、数え上げたらキリがない。
それがスポーツ界にもあり、野球ですら、「野球のプレイには、その人間の生き様が出る。」とか、「野球の神」などと言う言葉まで出てくる。
そして今では陸上競技者まで、ゴール後にトラックを振り返って、コースに向かって深々とお辞儀をする…
アニメでも、「アニメの聖地」なんてものがある…

単なる娯楽が、時を重ねれば、いつしか聖なるものに変化して、やがて神になる。
そしてその神が金を産めば、人が集まり周りまでそれで食おうとする。
今年起こった勧進相撲発祥地の「富岡八幡宮」の殺人事件も要は金だ。
金の集まる所に人は群がる。相撲界も同じく「事件」よりもそれに群がる「興行の金」を優先した。
そして警察も国技という宗教的な「神事」に怯んだのだろう…
俺は相撲界の神の存在は信じないし、神社の宮司の子供として生まれたことすら恥ずかしい。おわかりだろ?…(~_~;)

俺が思うに今回の事件の真相は、ガチ相撲で白鳳に勝ってしまった貴乃岩が、裏切り者としてリンチを受けた。そう考えた方が一番つじつまが合う。
アニメ界のあの事件の首謀者もそうだった。あのリンチ事件の後、一人の優秀なアニメーターの腕を妬んで「悪魔」に仕立てあげた。
連日連夜の地獄のミーティングで、睡眠も与えず、悪魔と罵ってのパワハラ拷問。
その理由なんてどうでも良かった。些細な事で呼び出して、精神的に追い詰めていった。
その後は全員で逃げ出し、悪魔に仕立てられた彼は、今では有名なクリエーターになっている。
アニメ界リンチ事件の首謀者の過去の成功の裏には、そういった優秀な人材が陰で支えていた。あのリンチ事件の被害者のMさんもそうだった。D氏もMさんも、作監に近い仕事をしていた。
つまり「出る杭」は悪魔になった。
そういった出来事が、今回の事件とリンクする。

「神」になってしまった横綱達を相撲界の誰も制御する事が出来なくなっていた。
そして今回の騒動によって、相撲界のいかがわしい神を利用した茶番劇が、表に見え隠れしてしまった…
それを必死で隠そうとする相撲界。そして同じく「国技」の汚れをヒタ隠しする政治情勢…
そんな見えない力が働いて、甘い捜査と井戸端会議的な報道が始まったのだろう…今や理事長選の予想に終始して、根本的に大事なことは伝えないテレビ局。
そんな馬鹿げた騒動が連日連夜、伝統と「神」を巻き込んで騒いでる。

外国では、ちょん髷結ってケツ出して、裸で取っ組み合うインチキ勝負のデブ踊りと笑う声もある。
日本人としては不快だが、今の相撲界はそう思われても仕方ない…

日本では、伝統と神の名があれば、中身がどうあれ、崇高なものとして崇めてしまう土壌がある。
俺の周りの格闘技好きの人間は、相撲もプロレスも同じ大衆の見世物興行だと信じてる。俺も未だに相撲界の「八百長」は、少なからずあると思ってる。
相撲は伝統を重んじる「歌舞伎」と格闘技と神事を合体したような、いいとこ取りだけした興行にしか思えない。

そんな曖昧な格闘技ならば、いっそ大相撲もプロレスと同じような興行にしたらどうだろ?
引退した日馬富士や朝青龍が、「覆面力士」として復活して、暗黙のルールの勝負をした方が、外国人にはもっとわかりやすい。
死人が出ても変わらない相撲界…そして神事を利用して、金儲けに走る相撲界…

大の大相撲ファンだった昭和天皇には、ひいきの力士がいたらしい。
その昭和天皇の観覧相撲の折りには、そのひいきの力士が必ず勝ったとのこと。
そういった摩訶不思議な事も含め、今の相撲界に疑問を持って孤軍奮闘してるのが、貴乃花親方なのかもしれない。
俺はその貴乃花が現役で、「若貴騒動」の頃の貴乃花は大嫌いだった。
良し悪しは別として、今回の彼の揺らぎの無い捨て身の「信念」だけは、憧れと同時に敬服したい。

また「真実」を墓場まで持って行こうと、引退した横綱の日馬富士を哀れに思う。結果的にそうしたのは相撲界だ。
俺が日馬富士と違うのは、俺は「闇」を墓場まで持っていかなかったこと。
現在の相撲界は一度潰れない限り、また同じ事が繰り返され、もっと悲惨な出来事が起こるような気がしてならない…

今や相撲は日本の国技どころか、「日本の恥だ」
確かCMであったな…「日本の恥、金頂、貨取り銭興」

相撲界もこうした俺の意見も「ごっつぁんです。」と耳に入れてもらえれば、こっちも「ごっつぁんです。」

これを読んでる皆様、来年は良い年を。